低酸素体験記 ①高地トレーニングとは
こんにちは、院長の小川です。 関東地方も梅雨明けし、いよいよ本格的な暑さがやってきます。
気温と湿度に気を付け、冷房を上手に使って体温を調整
夏を乗り切りましょう!
少し前に低酸素トレーニング施設を体験して参りました。
マラソン選手などが大会前に行っている「高地トレーニング」。これを山へ行かずに室内で出来る施設です。
高地トレーニングとは、人間の「環境への適応能力」を活かして運動能力向上につなげるトレーニング。
高橋尚子選手が見事金メダルを獲得した時に、コロラド・ボルダーでの高地トレーニングを取り入れていたという事で記憶している方も多いのではないでしょうか。
効果的な標高は1,500~3,000mとされていて、低圧・低酸素・低温が高地環境にあたります。
高地では酸素濃度が低いため、人間の身体は酸素を取り込みにくくなり血中の酸素濃度が低下します。すると身体は環境に適した酸素濃度を確保するために、体内で赤血球数やヘモグロビン濃度を増加させます。この身体の適応能力を活かして結果につなげる、これが高地トレーニングの目的になります。
私たちの身体の酸素運搬機能を高めるということですね。
低酸素の環境下では、酸素を十分に行き渡らせるために血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが増加、筋肉中に酸素を運ぶミオグロビンも増加します。つまり平地にいる時よりも体内に多くの酸素を取り込めて、持久力がアップするのです。そして、高地に比べ十分な酸素のある平地へ戻ると、以前よりも酸素の運搬能力や筋肉での酸素消費能力がアップしているので、パフォーマンスの向上がみられます。
今回体験してきた施設は、平地で気圧はそのままに酸素濃度を低く調節した常圧低酸素ルーム。高山病の心配もなく、高地でトレーニングするのと同様の効果が得られるというのですから、画期的な施設です。
短時間でより多くの酸素を取り込む耐性作り。本番まで時間をあけずに、大事な試合の直前に低酸素でトレーニングする方が、より効果を発揮します。
今回利用した施設、ASICS Sports Complex TOKYO BAYは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴い、7/5~9/10まで休館しています。
海外の選手へ開放するかどうかは分かりませんが、開催まであと8日あまり。
日本を代表する選手たちが、最後の調整に使用されているのでしょう。
トップアスリートは持って生まれた体格・才能と努力。私たち素人では考えられないほどの努力をされています。ひたむきに競技に打ち込む姿に私はいつも感動を覚えます。
ある知り合いのオリンピアは、24時間競技のことを考えていたと仰っていました。
代表になるのも、代表選考会で最後まで競い敗れた選手も、スポーツは結果がすべての厳しい世界。
すべての選手を応援せずにはいられません。
次回は、はじめての低酸素体験の感想などを、記しておこうと思います。
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