低酸素体験記 ② パルスオキシメータについて知ろう
更新日:2021年9月1日
パラリンピックも中盤。熱戦が繰り広げられていますね。
オリンピックにパラリンピック、賛否ありましたがはじまってしまうとテレビにくぎ付け。観たい競技の時間が重なって、忙しい日々を送っています。
これまでよく知らなかった競技も、ランプ点灯によって勝敗が分かったり、スピードや時間によってのルールなど、その競技の面白さを改めて知ることが出来、スポーツの楽しさを感じています。
フェンシングは一瞬も目を離せません。瞬き厳禁。
自分に近い方が活躍されている姿は手に汗握って見入ってしまいました。自国開催の良いところは、夜眠れることですね。
低酸素トレーニング施設を体験の続き・・・の前に、パルスオキシメータについて記しておきたいと思います。
新型コロナウイルス流行により、ここ1年で購入した方も多いのではないでしょうか。
パルスオキシメータは皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO₂)と脈拍数を測定するための装置です。赤い光の出る装置(ブローブ)を指にはさむことで測定します。
肺から取り込んだ酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。酸素飽和度(SpO₂)とは、心臓から全身に血液を送り出す動脈の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか(酸素飽和度)、皮膚を通して(経皮的)に調べた値です。
酸素飽和度(SpO₂)は、酸素吸入時に90%以上に酸素流量を維持します。SpO₂が90%以上であれば、通常は充分組織に酸素が供給されているので、健康な方の標準値を維持する必要はありません。
一般的に96~99%が標準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)になっている可能性があるため、適切な対応が必要です。慢性の肺や心臓の病気のある患者様では、息苦しさや喘息などの症状が強くなり、SpO₂が普段の値から3~4%低下した場合、かかりつけ医に連絡するか受診をしてください。(一般社団法人 日本呼吸器学会 「よくわかるパルスオキシメータ」より)
航空機は高度9,000~12,000mの成層圏を飛行します。上空の気圧が低いために、客席内の気圧は低くなります。平地では1気圧ですが、機内では0.8気圧まで低下する場合があり、これは吸入する酸素濃度に換算すると、平地(1気圧)で約16%の酸素を吸入する状態に相当します。通常は空気中の酸素は21%ですから、かなりの低酸素様態になることがわかります。
また、登山や高所では、標高が高くなるにつれ気圧が下がるため酸素が不足していきます。標高約5,500mで気圧が1/2になります。これは平地の1気圧のもとで10%酸素を吸入することに相当し、通常空気中にある21%酸素の半分ほどしかないことになります。従って、登山や高所トレッキングに
は、酸素不足による急性高山病の危険性が常に伴うのです。あまり高いと思えない標高でも、約2,500mを超えると高山病の症状が出ても不思議ではありません。
今回お邪魔したASICS Sports Complex TOKYO BAYでは、標高2,000~4,000m相当の酸素濃度を、常にパルスオキシメータの値を取りながらの体験になります。
自分の身体が低酸素にどのように対応するタイプか、何%になったら危険かなど、丁寧に説明してくださいます。登山などしない私が味わった、はじめての低酸素。次回へつづく・・・。
一般社団法人 日本呼吸器学会 「よくわかるパルスオキシメータ」より引用
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